インセンティブを解き明かすゲーム理論

インセンティブという言葉は、経営やビジネス、人事といった関連に興味がある人はよく耳にする単語かもしれない。インセンティブとは動機、誘引といったことを意味する。人が何故行動するのかという動機の部分のことである。あっちよりこっちがいい、そう思った原因がインセンティブだ。

いくら働いても給料が変わらない固定給制度と、頑張って結果を出すほど給料が上がる成果給(歩合)制度ではどちらが仕事を頑張るだろうか?おそらく、お金が欲しい人は、固定給より成果給の方が仕事を頑張ろうと思うだろう。これは、固定給制度より成果給制度の方がインセンティブをうまく引き出せる制度というわけだ。ちなみに、成果給での契約をインセンティブ契約といったりもする。

ゲーム理論はインセンティブを解き明かす学問だとよく言われる。つまり、「人や企業が何故そのような行動を取っているのか、そして何故このような結果になっているのか」ということを探る学問ということだ。どこが相手の行動の原因になっているのか。どうすれば相手の行動を変えることができるのか。どのような制度を作れば良い結果が生まれるのか。このような、問題の原因や解決策の本質的な部分を考えていく。この考え方を身につければ頭がキレる人の行動や、一見不可解とも取れる行動にもそれなりの理由や狙いを見出すことができる。

そして、ゲーム理論では物事を細かく見ていく。そのため、原因も「ここだ」とはっきりわかる。当然どこが原因かはっきりと分かった方が解決策は立てやすいが、ゲーム理論では考え方からすでにそれに対応しているのだ。日常の色々な問題でも、ゲーム理論の考え方に触れることで、今まで以上に解決策が考えやすくなるわけだ。