ミニマックス戦略~スポーツ編

ゼロサムの状況では、ミニマックス戦略が最善戦略であることを前に述べた。

ここでは、この戦略の考え方をうまく活用する例を考えて見よう。

スポーツのような勝負における、ミニマックス戦略のポイントは以下の2つだ。

・自分の必殺の武器は、ここぞという時にしか使わない

・相手の得意なコースや決め球はできるだけ使わせない。

この2つのポイントは、熟練者同士の対戦であれば同じことを表している。

例えば、テニスでフォアハンドが得意な選手相手に戦うにはどうしたら良いか。それはバックハンドを中心に攻めるのが基本だろう。そうすれば相手の得意なフォアハンドをできるだけ使わせないことができる。

しかし、熟練した相手であれば、当然同じようなことをしてくる。結局、ここぞというチャンスでしか自分の決め手は使うことがなく、そういうときにこそ、しっかりと決め手を使ってポイントを取らなければならないというわけだ。こういうがっぷり四つの戦いは、いい戦略を取り合っている結果ということなのだ。

さらに、自分の決め手を、警戒させて警戒させて、あえて使わずに、決め手以外のもので決めるというのも、上のポイントのひとつだ。決め手には、ここぞという時に使い確実に決める以外に、警戒させるだけという使い方もあるわけだ。

とにもかくにも、ひたすら自分の得意な決め手を振り回すだけでは、戦略の幅を自ら狭めてしまう。それでも勝てるほど絶対的な武器であれば問題はないのだが、そうでない場合には、決め手には色々な使い方があることを覚えておこう。