デフレを生み出す囚人のジレンマ4

両者ともに値下げをしたものの、景気はさらに悪化し、まだ客足は遠のいていた。

何か手を打つか打たないか、お互いが考えている。

現在は、次のような状態になっているとしよう。

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すると、先ほどと同じように、また値下げすることが支配戦略という、囚人のジレンマの構造となっている。

その結果このままお互いが合理的に動くなら、お互い値下げをするだろう。そして、さらに値下げをした状態でもそこからさらに値下げをすることが支配戦略になり…、と、この状況は止まらない。こうしてだんだんと利益が減っていってしまい、限界まで行ってしまう。

一度値下げが始まった結果、この状態では合理的に動き続ける限り、限界まで値下げしていくことが繰り返される。こうしてデフレ(値下げ)が繰り返しデフレスパイラルが起こってしまうわけだ。

では、このような囚人のジレンマの状況を解決するにはどうしたらよいのだろうか?次からは囚人のジレンマの解決策を考えていこう。