非協力か協力か?ゲームの分かれ目

この章もここで終わりだが、次の章からゲーム理論の中身に入るので、ここでゲーム理論の大まかな分類を知り、頭を整理しておこう。

ゲーム理論では大きく2つの領域がある。非協力ゲーム協力ゲームだ。

非協力ゲームでは、プレイヤー同士が競争する。非協力ゲームでプレイヤーが協力している場合、そこには裏切りの可能性が秘められており、裏切るより協力していた方が利益が大きく、裏切るインセンティブがないから今は協力しているだけという状態なのだ。

また、非協力ゲームではプレイヤーの行動の順番によって同時ゲーム、交互ゲームの大きく2つに分類できる。簡単にいうと、将棋のようにプレイヤーに先手後手があるのが交互ゲーム、じゃんけんのように同時に行動するのが同時ゲームだ。

交互ゲームは将棋のように相手の行動を見て、自分の行動を決めることができる。同時ゲームは相手の取る行動が見えないまま自分の行動を決定しなければならない。同じような局面でも交互と同時では起こる結果が全く異なるので、自分がどちらの状況に直面しているかは重要なポイントとなる。

一方、協力ゲームは、まずはみんなで仲良く協力して、後でうまくわけましょうというイメージだ。どのように協力や提携をすれば、みんなの利益が最も大きくなるのかをまずは考えて、どれだけ貢献したか、そして、どのように利益を配分すればみんなの納得を得られるのか、ということを考えていく。

どうすればみんなの利益が大きくなるか、ということを発展させて「大勢の中で誰と誰が結婚すれば一番望ましいのか」そして、どれだけ貢献しているか、ということを発展させて「政党の勢力はどの程度か」といったことまで扱っている分野である。

本サイトでは3章・4章・5章が非協力ゲーム、6章・7章が協力ゲームの分野となっている。

以上でゲーム理論の全体のイメージを掴むための、第1章のお話は終わりである。ゲーム理論って、なんとなく、こんなことやるのかなー、というぼやっとしたイメージはつかめただろうか?次の章から、ゲーム理論の中身を具体的に見ていこう。