「ゲーム理論」~駆け引き・交渉の秘訣

日本人は駆け引き下手・交渉下手が多いとよく言われます。

協調性を重んじ、阿吽の呼吸でなんとかなることが多かったため、交渉や営業も、義理・人情がほとんどでした。

しかし、時代は変わり、海外企業への外注、グローバル化の進展、競争の激化により、義理と人情だけで乗り切ろうなんて言っていられなくなりました。

このような時代をうまく乗り切るためには、他の人とちょっと違う、駆け引きや交渉の視点が不可欠です。

では、駆け引きを扱うゲーム理論とは、どのようなものか、ちょっとしたシーンを見てみましょう。

あなたは、世界で唯一、携帯電話の「電池」を作っている部品会社を経営しています。

携帯電話の本体を製造している製造会社は世界で3社だけ。あなたの会社はすべての製造会社に電池を供給しています。

携帯電話の売上は1台あたり2万円。1台売れると、売上の半分の1万円が製造会社の取り分で、残りの1万円があなたの会社の取り分です。

さて今年も3社すべてと契約しようとしていたところ、製造会社3社の代表がいっせいにやってきました。

「今年からは一台あたりの売上のうち、15,000円を製造会社に、5,000円をあなたの会社に、という配分にしたい。」

今までと比べ、あなたの会社だけが損をしてしまう契約です。必死に反論しましたが、結託しているらしく3社とも一向に引きません。「電池より本体を作る方が大変で費用がかかる、うちが本体を作るおかげで電池が売れているんじゃないか」などと色々な理由をつけてきます。

あなたの会社は他の収入源がないので、契約を結べないと社員が路頭に迷ってしまうけれども、5,000円で契約すれば、利益は減るものの社員一同なんとかなる水準です。(相手もそれを見抜いているかのような口ぶりで、契約するかしないか、必要に迫られています。)

ここで、あなたが突きつけられた状況は以下の通りです。

契約をする →一台あたり5000円の取り分…ぎりぎりやっていける

契約をしない→契約できずに0円…社員が路頭に迷う

さて、あなたならどうしますか?

ゲーム理論の本質を知ると、このような場面でも気の利いた発想で、立場を逆転することも可能です。