チャレンジ5問の答えと駆け引きの本質
それでは、チャレンジ5問の答え合わせをしましょう……実はチャレンジ問題の解答に正しい解答はありません。予想できた方も多いでしょう。
チャレンジ5問も「現実的にありえない」「明確な答えはない」で解答を終えてしまうのは単なる頑固なだけです。このチャレンジ5問では「どのように考えて、自分が解答をしたのか」が非常に重要になります。
現実では、はっきりとした答えはわからない状況が多く、そこでは「いかにきちんと考えて行動できるのか」が重要になるからです。
それでは、このチャレンジ5問を見たときにどのように考えたでしょうか。
・こんなの正しい答えはない、と答えを出すのをやめる。
・これだ!と感覚的に答えて答えを出す。
・自分ならこうするな、と自分の経験・主観に基づき考えて答えを出す。
・多くの人はこうしそうだ、と統計的な数字を予想して答えを出す。
本サイトを読む前だったり、きちんと考えなかった場合は、このように考える人が多いようです。(ちなみに、ゲーム理論の研究においては、人を集めて、このチャレンジ5問のような状況を実際に作り、賞金を出して実験を行なったりもします。)しかし、これらにはゲーム理論の本質的な考えが抜けている上、非常に浅はかだ、と言えます。
それは何故でしょう。チャレンジ5問の問題は、「自分の行動」と「相手の行動」の2つによって結果が決まるという、まさにゲーム理論的な状況だからです。自分のことだけを基準に考えるのでは不十分ですし、関係ない人たちまでを基準にしてしまっては、相手の行動を予想できません。
想像した相手と自分は仲が良いのか、相手はお金に困っているのか、相手は普段どんな考え方で物事を決めているかなど、相手の特徴やクセなどを、最低でも考える必要があります。相手を明確に想定する、ここまでくれば、100点満点50点です。「相手はこういう特徴だから…。」と考えるわけです。漠然と考えるのではなく、自分が置かれている状況をしっかりと考えること、これは非常に重要です。
では、残りの50点はなんでしょう?それは「相手はこういう特徴だから、こうするだろう。」と相手の特徴のみから答えを出すのではなく、「相手はこういう特徴で、自分の事をこう考えているだろう…」と、「相手が自分のことをどう思っていて、自分がどう行動すると読むか」まで考えることです。
すると「相手はこういう特徴で、こっちがこうすると考えているだろう、だから自分はこうすれば良さそうだ」と考えることができます。ひとりよがりで相手の行動を決め付けるのではなく、相手の行動は相手の立場で考える。これが残りの50点分です。
ゲーム理論の考え方を活用すれば、他の人よりも深く読み色々な可能性に気付きやすくなり、交渉や駆け引きが上手くなることでしょう。
本サイトが、読者の皆様に役立てば、幸いです。