そもそも新規市場に参入する理由

今までは、サッポロが新規参入してきた際に、「サントリーが価格を維持するか、低価格で対抗するか」そして「サッポロが継続するか撤退するか」を見てきた。

しかし、サントリーが新規市場を開拓した時点で、サッポロには「その市場に参入するのか、しないのか」という選択があったわけだ。

結果として、サッポロは参入したわけだが、では、サッポロはどのように考えていたのだろう?

サッポロは、価格が安いことの影響をしっかりと予測し、次のように考えていたとしよう。

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するとサッポロが参入する場合は、黒い点線で囲った部分は、先ほどサントリーが向き合っていた状況であり、バックワードインダクションを用いた結果、サッポロの利得は-100となる。

一方、サッポロが参入しない場合は、サントリーの1人勝ち、サッポロには何も起こらないので、サントリーの利得は2,000でサッポロの利得は0となる。

つまり、サッポロは、参入しないほうが良いとバックワードインダクションで合理的に結論付けることができる。

しかし、ここまでわかっていたにもかかわらず、サッポロは参入した。そして、結果的に成功を収めた。そこには一体どのような秘訣があったのだろうか?