競争相手と協力するカルテル

次は、カルテルを見ていこう。

カルテルは、トラストと違い、企業同士が合体するほど表面上は複雑ではない。カルテルというのは簡単に言えば、企業同士で話し合って価格を吊り上げてしまうことだ。

建設業界の談合や、OPECによるアラブ諸国の石油の価格協定はカルテルの一種だ。先ほどの例で言えば、吉野家、松屋が共同して価格を据え置いたり、吊り上げたりする協定を結んでおくことだ。

無駄に競争して価格をお互いに下げあってしまう前に、お互いが得をするように価格を高いところで維持する約束をする。

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「放って置いたらどちらも悪くなるのだから、うまいことやろうじゃないか。」という約束がカルテルだ。

なお、カルテル、トラスト、コンツェルンは、どれも価格競争をしないための手段ではあるが、一方で不当な値上げができること忘れてはならない。

競争がなければ生活必需品ですら非常に高い値段で売られてしまう。企業は嬉しくても、買う側の消費者は泣き寝入りするしかない。市場への影響力が非常に強いため法律で禁止されているというわけだ。