就職活動も医学部生もゲール=シャプレーアルゴリズム
合コンは「結婚ゲーム」と呼ばれる男女同数を1対1で組み合わせる問題であり、ゲール=シャプレーアルゴリズムを使うことで、みんなに取って望ましい結果であるコアが求まるのであった。
このゲール=シャプレーアルゴリズムは、結婚ゲーム以外でも、就職活動のように1つの企業が複数の学生を採用するような「1対複数」の問題にも活用することができ、実際に、日本の医学生に関連する分野で活用されている。
平成16年に医師臨床研修制度が変更され、医者になるには医師免許取得+卒業後2年間の臨床研修が義務化された。簡単に言えば研修医制度であり、学生は、医学部卒業後、2年間は研修医として能力や人格を身につける必要があるわけだ。
この研修医制度では、学生を受け入れる病院と、研修先の病院を探す学生のマッチングの問題が起きる。学生は「あの病院で研修をしたい」という希望があり、一方で、病院は「成績のいい学生に来て欲しい。」という希望がある。くじで決めるわけにもいかず、うまくマッチングさせる必要があるわけだ。
現実ではどのように行われているのかというと、病院は「この学生が欲しい」という希望順位を、学生は「この病院に行きたい」という希望順位を、それぞれ協議会に登録する。協議会では、登録された病院と学生を、ゲール=シャプレーアルゴリズムを使いマッチングさせているのだ。
ゲール=シャプレーアルゴリズムの考え方は、1対複数の問題でも、結婚ゲームのときと全く変わらない。医師臨床研修マッチング協議会のホームページ の「アルゴリズム図解」には、1対複数のゲール=シャプレーアルゴリズムが記載されているので、興味があれば見てみよう。