わざと断る!?思わせぶりな嘘が効果を呼ぶ時2

ここでは、もう一度、合コンの場面を思い出してみよう。二次会の帰り道では次のような状態だった。

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また、この状態では、ゲール=シャプレーアルゴリズムで求めたコアは次のようになるのだった。

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ここでは、男性から告白するゲール=シャプレーアルゴリズムにおいて、女性が嘘をつくことで本当に得をするのか確認してみよう。

◆ステップ1

男性から告白。

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本来ならカツオだけが拒否されてしまうのだが、自分の不利を悟ったしずかが、星矢をキープせず拒絶したとしよう。誰もいないよりは、第三希望とはいえ星矢とくっついた方がいいのだが、あえて嘘をついたということだ。この段階でカツオと星矢が拒否されている。

◆ステップ2

拒否されたカツオと星矢が告白。

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カツオが拒否される。

◆ステップ3

拒否されたカツオが告白。

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3組のカップルができたので終了となる。

この結果は、女性から告白した場合と同じ結果になっている。しずかは嘘をつくことでうまく星矢からカツオへと希望順位を上げることができたわけだ。このように、情報と仕組みがわかっている中で、自分が主導権を握っていない状況下では、嘘は、より有利に進めるための戦略の一つとなってくる。

日本では「プロポーズは男性から」という風潮は強く、女性が恋愛においてわざと断るという戦略は、理にかなっている側面もあるということだ。

しかし、現実では、次があるかもわからないし、他の人の本当の好みもわからないため、嘘と失敗は隣り合わせだ。無用な失敗を避けるためにも、少なくとも希望順位が高い人に嘘をつくことはやめておこう。