直感編 地球の円周よりちょっとだけ長いロープ

地球の円周は約40,000,000mだ。ここで、地球を、円周40,000,000mの球体としよう。

さて、次の図のように、地球の円周40,000,000mよりたった10mだけ長いロープを用意して、地球の周り囲うようにロープを一周させると、地球とロープとの間には隙間ができる。

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このとき、地球とロープの間にはどれくらいの隙間ができるだろう?直感で選んで欲しい。

①髪の毛も通せないぐらいの隙間

②鉛筆を転がせるくらいの隙間

③ねずみが通れるくらいの隙間

④人が通れるくらいの隙間

直感では、①や②と答える人が多いようだ。しかし、実は答えは、④の「人が通れるくらいの隙間」である。簡単な計算でわかるので少しみてみよう。

円周率をゆとり数字の「3」すると、

地球の半径=円周÷円周率÷2=40,000,000÷3÷2 m

同じように、

ロープで作った円の半径=(40,000,000+10)÷3÷2 m

隙間は、ひもで作った円の半径から、地球の半径を引き算すればよいので、

(40,000,000+10)÷3÷2 - 40,000,000÷3÷2 = 10÷3÷2 =約1.67m と求まる。

隙間は約167cmなので、人が通れるくらいの隙間ということだ。これは、計算すれば当たり前だが、あまりに大きい数字とくらべてしまっているため、10mも実はわりと大きな数字にもかかわらず、直感からずれてしまっているのだ。

いつも10円安い牛乳を売っているスーパーを探す人が、3,000万円の不動産を購入するときには10万円安いものを探さないことも、感覚は少し似ているかもしれない。

ダマシとしてもよく使われるので、難しい計算は抜きにしても、直感で一見正しそうに見えても実は違うということは、数字でも論理でも意外と多いことは覚えておこう。

さて、今まで、ゲーム理論とあまり関係ないものを見てきたが、ここまで読んだだけでも、もう数字を見る力は上がっているだろうし、数字を見るのにも慣れたことだろう。では、次の章からゲーム理論を本格的に見ていこう。