映画にもなったゲーム理論

第2章では、ゲーム理論って、なんとなく、こんなことやるのかなー、というぼやっとしたイメージをつかんでおこう。

ゲーム理論の創始者はフォン・ノイマンという人だが、その研究の発端は、トランプのポーカーゲームの研究だったという話がある。なにやら、崇高な学問たちと比べ、出だしからキャッチーである。そして、そこから発展し、ゲーム理論には、日常生活からビジネスまで、交渉や勝負事などを有利に進める秘訣や思考が多く含まれることとなったのだ・・・

ところで、ゲーム理論は1940年代に生まれた非常に新しい学問だ。例えば数学は紀元前2200年くらいには存在しており、仮に数学が生まれてから4200年としても、ゲーム理論は生まれてから70年とすれば60分の1しか経過していないのだ。数学が60歳のおじいちゃんなら、ゲーム理論は1歳の赤ちゃんといったイメージである。ただし、赤ちゃんの成長が早いように、ゲーム理論は近年急速に発達を見せている学問の1つである。

2005年ノーベル経済学賞はゲーム理論の分野であったし、また、映画「ビューティフル・マインド」で主人公となったジョン・ナッシュはゲーム理論の基礎を築いた学者であり、1994年にノーベル経済学賞を受賞している。このようなこともあり近年急速に名が知れるようになった学問のひとつである。

さて、それではこの章では、ゲーム理論のイメージをざっくりとつかんでいこう。