日常生活から核戦争もゲーム理論が使える場面
多くの人はゲームというとテレビゲームをイメージすることだろうが、学問におけるゲームは「戦略的行動」という意味で使われる。何やら難しい言葉を使っているが、簡単に「駆け引き」と捉えるとわかりやすい。「ゲーム理論とは、駆け引きを扱う学問である」と簡単に捉えることが始まりだ。
では駆け引きはどのような時に起こるのだろう。ゲーム理論で駆け引きが起きる場面は以下のような場面である。
・自らの行動に対して相手がいる。
・その相手の出方を考慮した上で、自らの行動を決定する。
・自分の行動と相手の行動により1つの結果が生じる。
ざっくりいえば、相手がいて、なんらかの結果が生まれることすべてであり、日常生活のほとんどがあてはまる。駆け引きの場面は恋愛かもしれないし、経営かもしれない。「自ら」や「相手」は個人かもしれないし、会社かもしれないし、国家かもしれないが、多くの場面でゲーム理論は活躍している。とはいえ、これではあまりに抽象的すぎるので、ゲーム理論で研究される具体的な例を少しだけ挙げてみよう。
・個人と個人がプレイヤーの時:夫婦関係、営業、ビジネスでの交渉
・個人と企業がプレイヤーの時:労使交渉、給与システム、モラルハザード
・企業と企業がプレイヤーの時:協力、競争、M&A、R&D、公告戦略
・国家と国家がプレイヤーの時:戦争、条約、環境問題、貿易交渉
ゲーム理論は経済学の一分野として扱われるが、これらの場面は経済学のみならず多くの場面で起こることである。そのためゲーム理論は、経済学は勿論、経営学、政治学、さらには生物学といった、多くの学問で応用されている。