問題を細分化し、相手の裏をかくジョーク1

ゲーム理論では問題を細分化する。これは「物事を細かく分けて、本質をつかむ」ことだが、そういわれても、何がなんだかよくわからないので、有名なジョークから、細分化のイメージをつかんでみよう。

とある大学の期末試験でのことである。この講義は300人もの学生が受講していた。学生は試験に受かり単位を取らなければ留年してしまう。しかし、この講義を担当した教授は厳しいことで有名だ。試験開始前に「時間の延長はしない。きっかり2時間後に書くのをやめること。守れない学生の答案を受取らない。従って留年となる、これはルールだ。みんな気をつけるように!」と学生たちに言い放った。

そして、試験が開始された。試験時間は2時間ピッタリ。しかも、2時間近くかけなければ到底終わらないような内容だ。

試験が始まって30分後、1人の学生が教室に汗だくで駆け込んできて「問題用紙と解答用紙を下さい。」と教授に言った。「もう最後までやる時間はないと思うが、それでもやるのかね。」と教授は言いながら嫌そうにテスト用紙を手に取った。「やります。」とその学生は答えると、テスト用紙を受け取り急いで席につき、取り組み始めた。

試験時間の終了のアナウンスが流れると、教授に言われた通り、学生たちはピタリと書くのをやめて、列をなして答案を提出し徐々に教室から出ていった。しかし、他の学生が書くのをやめて列に並んでいる間も、遅刻した学生はただひとり席に残ってぎりぎりまで答案を書き続けていた。

300人が一列にならんだのでかなり時間がかかり、試験終了から約30分後に、列の最後の学生がちょうど提出し終わった。その直後、遅刻した学生が席を立ち、答案を持ってやって来た。そして彼は机上に積み上げてある答案用紙の上に、自分の答案を置こうとした。

「駄目だ。もう受けとらんよ。初めに言ったとおり時間切れだ。また来年頑張りたまえ。」

「そんなことは聞いていませんが?」

「試験前にいったのだ。遅刻した君が悪い。」

「そうはいっても試験に取り組んだ時間は2時間なわけですし、教授を待たしてしまったわけでもないでしょう。」

「その通りだが、君が遅刻したことがすべての原因だ。大事な試験に遅刻したせいでルールが守れず、はい許してください、では社会に出てもうまくいかん。その答案は受取れんな。社会勉強だと思いなさい。」

「いや…、遅刻した理由は、道端でおばあさんが倒れそうでそれを助けたからでして…。」

「そんなことは関係ない。時間に余裕を持って行動しなかった君が悪い。」

「いえ、さらに電車が人身事故で止まってしまい、さらに行く先には妊婦が倒れており…」

「…なんと言おうと君の答案は受取らん。君は一度留年して社会の厳しさを知りなさい。」

……

(どうしようもないなぁ…諦めるしかないのか…??)