問題を細分化し、相手の裏をかくジョーク2

学生は困ってしまった。遅刻したのは自分のせいとはいえ留年はしたくない。そのためには「教授を説得し自分の答案を受取らせ採点させること」が必要だ。しかし教授は一向に説得に耳を貸さず自分の答案を受取ってくれる雰囲気ではない。

…しかし、なんとかしたい。そう考えていた学生は、ゲーム理論の考え方を思い出していた。そこでふと、自分の考えの間違いに気付き、話は次のように進んでいった。

「…わかりました。ところで、教授は私が誰だか御存知でしょうか?」

「いいや、全く知らんね。」

「…教授は本当に私が誰だか御存知ないのですね?」

「知らんね。300人近くもいて、君のような失礼な学生のことなぞ覚えているわけないだろう。」

ここまで確認した学生は、にやりと笑い、机の上に置かれた答案の山をおもむろに持ち上げて、自分の答案を名前が見えないようにさっと中に紛れ込ませて「お疲れ様です。」と退室してしまった。その学生は、見事に留年を免れそうだ。

教授は名前を知らないのだから、答案を紛れ込ませてしまえばどの答案が遅刻した学生のものか判断できない。仕方なくも採点せざるをえなかったのだ。