戦うのか・逃げるか~ゲームの木で探る最善戦略2

この状況でサントリーはどうした良いかを探るためバックワードインダクションを使って考えて、合理的に「価格維持」を選んだ。

バックワードインダクションは、しあわせトランプで見たように、後ろの結果から探っていく。サントリーは次のように考えた。

まず、次の赤い点線で囲った部分に注目する。これは、サントリーが「価格維持」をとった場合だ。

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すると、サッポロは、赤い丸で囲った利得を比べて、サッポロにとって最も良い戦略を決定する。継続するとサッポロは-200、撤退すると-100の利得だ。当然サッポロは撤退する方がましだ。つまり、赤い矢印のようにサッポロが行動を選択するのが合理的だ。

次に、次の赤い点線で囲った部分に注目する。これは、サントリーが「低価格」をとった場合だ。

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赤線で囲った部分に注目すると、サッポロは、継続すると-500、撤退すると-100の利得になる。当然、サッポロは撤退するだろう。つまり、赤矢印のようにサッポロが行動を選択するのが合理的だ。

この予想を踏まえ、サントリーは、自分がどうすれば良いかを次のように考えた。次の赤い点線で囲った部分に注目しよう。

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サントリーが価格維持をすると、先ほど見たとおりサッポロは赤矢印に進むので、サントリーは2,000の利得だ。一方、低価格を選ぶと、1,000の利得だ。2,000>1,000なので、当然、価格維持を選ぶのが合理的だ。

このように、ゲームの木で最善な戦略を探る時は、バックワードインダクションで後ろから考えていく。サントリーはかくして、自らの予想の結果から、合理的に考え、価格を維持するという戦略を選んだのであった。