統計編 インターネット普及率100%!?

イギリスの政治家ベンジャミン・ディズレイリは「嘘には3つの種類がある。ひとつは誰でもつく嘘、2つ目は見え透いた嘘、そして3つ目は統計の嘘である」という言葉を残している。ここでは、統計の嘘に騙されないための例を見ていこう。

まずは簡単なジョークを見てみよう。

あるテレビ局は番組で使用するために、2000年にインターネット利用率の調査を行った。すると、驚くべき結果が出た。なんと利用率は100%だというのだ。10人しか回答者がいないのであれば起こってもおかしくないが、回答者数はなんと5000人にも上っていた。そこで、テレビ局は、驚くべき結果だ!と以下のようなコメントを出した。

ウジTVが独自に行ったアンケート調査によると、2000年にインターネット利用率はついに100%まで達した。日本のIT化は、インターネットバブルともに、この一年間で急速に進んだようだ。

<2000年にインターネット利用率の調査>

有効回答数:5,000

調査対象:日本全国の18歳以上の男女

調査方法:インターネット上でのアンケート

もちろん、この調査結果は間違いだ。インターネット上でアンケートをすれば、回答者はインターネットを利用しているに決まっている。回答者すべてがインターネット利用者なのだから当然だ。

サンプル(回答者)に偏りがある調査は、ほとんどウソ

ちなみに、1999年の日本のインターネット普及率は21.4%であり、少し調べればすぐに「おかしいな?」とわかることも多い。

もちろん、ここまでひどいものは現実的にありえないが、サンプルによりダマシが入ることは覚えておこう。逆に考えれば、都合の良い部分だけ抜き出してしまえば、好きなように調査結果を作ることだってできてしまうわけだ。(例えば、FXで勝った人だけの意見を集めて「誰でも勝てるFX!」というような言い方も、本質は似たようなもので価値はない。)