司法取引で見る裏切り
犯罪の多いアメリカではよく司法取引がよく行われている。
「ほらほら、早く自白しろよ。自白したら刑を軽くしてやるぞ?」
(うーん、証拠がもし見つかっちゃったら刑は軽くならないだろうし、刑が軽くなるんだったら見つかる前に自白しちゃおうかな。)「で、どれぐらい軽くなるんですか?」
といった感じで、捜査をする側は自白してくれれば手間がはぶけるし、犯罪者は刑が軽くなる。「取引」なのでお互いにとって良いことがあるわけだ。
さて、この司法取引は証拠の裏づけが難しい犯罪組織の捜査のために、次のような使われ方がされている。組織の構成員を1人、何か別の容疑(ここでは窃盗としよう)で捕まえてきて、こう言うのだ。
「組織が犯罪したことを認めてくれないか。そうすれば組織でやったキミの刑は問わないようにする。証拠が揃っている窃盗の容疑もついでに見逃してあげるよ。キミが裏切ったこともバレないようにする。」(お前は見逃すから全部しゃべれ!)
つまり、捕まえた構成員に、自白をすれば恩恵を与えることで組織を裏切らせようというわけだ。
構成員は、組織を裏切り自白すると、組織の犯罪どころか窃盗まで無罪。自白しなければ、最低でも窃盗の罪には問われるし、これから組織犯罪が見つかったら、その罪も問われる。そこで構成員は考えるわけだ「組織を裏切るなんて…でも、もし証拠が揃って組織の犯罪もばれたら結局全員捕まるんだし、ここで裏切っても…。」